【イタリア・ローマ】ホースセラピー現地研修が終了しました

こんにちは!ゆりえです!

2024年10月に、イタリア・ローマでホースセラピーの現地研修プログラムを行ってきました!

日本からも3名の参加者が来てくださり、日本の常識にないイタリア文化や馬文化を肌で感じる研修となりました。

今回は、そんな濃い4日間のその様子をブログで紹介していきます!

イタリア・ローマでのホースセラピー研修概要

  • 国・地域:イタリア・ローマ近郊
  • 場所:乗馬センター「チャンパ・カヴァッロ」
  • 日程:2024年10月15日(火)〜18日(金)

”チャンパ・カヴァッロ”は「乗馬をすべての人に」をモットーに、障がい者も大人も子供も誰でも馬と関われる乗馬センターです。

広い乗馬センターの中にはいくつも馬場があり、曜日や時間帯によって、大人や若者向けの本格的な馬術のレッスンを行ったり、幼稚園や小学生が授業の一環で馬とふれあいに来たり、軽犯罪を犯した人の社会貢献プログラムにも認定されています。

また、障がいのある大人の通所デイとしての役割もあり、平日は毎日様々な障がいを持った方が通ってきます。 それぞれ自分のペースを大切にしながら、馬のお世話をしたり、農業をしたり、得意なことを生かして雑貨を作ったりしています。

ホースセラピーでは馬に特化した獣医をはじめ、療法士、心理士、動物介在療法士などの専門家が関わりながら行なっています。

今回の現地研修プログラムでは日本からの参加者のために特別プログラムを組んでいただき、障がいの有無に関わらずすべてての人に馬体験を提供する姿を学びながら、実際の受け入れ体制やスタッフ、馬の活動を一緒に体験させていただきました。

4日間のホースセラピー研修スケジュール

DAY

午前:外乗

午後:馬具の説明、セラピー活動の解説とサポート、馬具屋さんへ

DAY

午前:ナチュラルホースマンシップ講習、リトレーニング調馬策

午後:裸馬での乗馬体験、馬とのコミュニケーション

DAY

午前:近隣の乗馬施設へ(施設案内、調教の見学・解説)

午後:セラピー見学、裸馬での乗馬体験、ビデオ研修、施設案内

DAY

午前:ポニークラブの活動解説

午後:セラピー体験、活動の解説・お手伝い

朝から夕方まで、毎日たっぷりと様々なことを学ばせていただき、本当に濃い4日間でした。

4日間たっぷり過ごして感じたこと

とにかく濃い4日間で、常識が崩れまくる忙しい毎日でした!笑

人馬の絆や歴史は、世界中どこにでもあります。でも、細かい部分を見ると、国・地域が変われば言語も文化も歴史も違うわけで、いろいろな違いが出てきます。

障がい者支援の違い

イタリアに浸透している「インクルーシブ」の考えでは、障がいに対する支援や考え方が日本と大きく異なります。

日本では、障がい者支援と言うと専門知識が必要なプロの技術で、いわゆる健常者と呼ばれる人は障がいのある方と接する機会がとても少ないですよね。

一方、イタリアには特別養護学校がなく、学校のクラスメイトに寝たきりの子や目の見えない子、耳が聞こえない子がいるのは当たり前です。子どもたちはそんな教育方針の中で育つため、障がいというものがとても身近。接し方や考え方がごく自然で、特別感はありません。

この違いは、ホースセラピー活動における支援方法や関わるスタッフの考え方にも大きく関わっているようでした。

「障がいに関係なく」

この言葉は、言うのは簡単ですが、実際に行動で示すのはとても大変なことだと思います。

でも、チャンパで活動している人たちは、それをごく自然なこととして受け止め「出来ないこと」ではなく「出来ること」に焦点を当て、一緒に楽しい時間を過ごす姿勢を感じました。

そしてその姿勢は、「イタリア語が話せない」という日本からの参加者に対する優しさにも。

研修中は施設スタッフの岡野さんが各所で通訳をしてくれましたが、「イタリア語でコミュニケーションが取れない」というハンデを持った身としてこの研修を受けられたことは、とても大きな意味があったと思います。

馬のリトレーニングの場として

さらに、馬たちの過ごし方も大きな違いがありました。

チャンパの馬たちは、5~8頭ほどの群れ単位で昼夜放牧で過ごしています。

それぞれの馬房がない飼育方法は日本はもちろんイタリアでも珍しく、餌や水の管理ができないこと、馬同士の喧嘩や怪我のリスクなど、様々なデメリットがあると言われます。

しかし、ここの馬たちはそのデメリット以上に、心身共に健康的に見えました。

仕事がない時間はずーっと餌を食べて過ごしていますし、雨には濡れるけど毛並みはツヤツヤで、人との関係も良好。

施設の皆さんが口を揃えて言っていた「馬は友達」という姿勢。

ナチュラルホースマンシップなどの手法で、丁寧に人馬のコミュニケーションを築いている姿。

そんな様子を見て、馬の身体の健康はもちろん、馬のメンタルヘルスの大切さを感じた研修でした。

ここの馬たちは、引退競走馬だったり、肉屋から引き取ったり、虐待されていた馬を保護してきたり、そんな訳アリ馬たちが人との関係を再構築して、それぞれの活躍の場を見つけていく場所でもあって。

人にも馬にも優しい施設でした!

まとめ

4日間のホースセラピー研修プログラムの様子、いかがでしたか?

体で感じたことを文字でまとめるのはとても難しかったのですが、なんとなく伝われば嬉しいです!

また、今回の研修プログラム内容は、主催しているホースセラピー勉強会で「報告会」としてたっぷり1時間お話ししております!

もっと気になるー!って方は、有料ではありますが、ぜひこちらもご覧ください!

ABOUT US
YURIE KONO世界を駆けるホースジャーナリスト
1994年生まれ、海外在住フリーランス。 24歳からヨーロッパ各国に住み、現地の馬文化にひたる幸せな日々。オンラインサロン「うまテラス」主催、ホースセラピー勉強会主催。