フランス最大の農業フェア Salon International de l’Agricultureを取材してきました!

先週末の2018年3月3日(土)、

フランス・パリで行われた Salon International de l’Agriculture という

フランス最大の農業フェアを取材してきました!

 

農業系大学で農業を学んだ者として。

動物に関する情報を発信する者として。

 

そして、「農業大国であるフランスの農業フェアって何!?」という興味のもと、

  • どんなイベントだったのか?
  • イベントでは何が出来るのか?
  • 面白かった展示の紹介
  • このイベントに興味のある方へ
  • フランスと日本の農業の違いは?

について、写真付きでご紹介します!

 

 

フランスは農業大国!

 

みなさんは、フランスが農業大国であること、知っていましたか?

フランスは、世界でも有数の農業大国なのです!

 

農業大国と言われるそのワケは、120パーセント以上ととも言われる食料自給率の高さと、生産性の高さです。

ちなみに、日本の食料自給率は約40パーセント。

私達が日々食べているもののうち、半分以上が海外産なんですね。。。

一方フランスでは、わざわざ「国産」と書かなくても、

一般家庭で食されているパンや野菜、肉類のほとんどが国産(フランス産)なんです。

 

 

また、フランスでは、国土の半分以上が農業用地として使用されています。

私は現在パリに住んでいますが、電車で20分ほど離れるだけで大きな農地を見ることが出来ます。

 

その規模も日本の田畑とはまさにケタ違い!

電車の窓から、果てしなく続く農地を見ることが出来ます。

 

 

 

どのようなイベントなの?何が出来るの?

 

さて、Salon International de l’Agriculture について、

このイベントは、日本語にすると『国際農業展』です。

 

会場内のブースはおおまかに、

  • 家畜(牛・羊・豚・ヤギ)
  • 家畜(馬・ロバ)
  • 野菜
  • フランス各地域の特産
  • フランス国外の特産
  • 農業サービス
  • 犬猫などのペット

に分かれており、

1枚チケットを買えば、広~い会場内を1日中見て回れます!

 

 

基本的にはフランス国内で盛んな農業についてのブースが多く出ていましたが、

ヨーロッパ内の違う国の農産物や、中東、アフリカのブースもありました。

 

去年はなんと、22か国から900以上のブースが出展し、60万人以上が来場したそうです!

 

 

 

2018年は2月24日~3月4日の9日間、

パリの端にある”PARIS EXPO PORTE DE VERSAILLES”という巨大なイベント会場で行われました。

 

 

農業関係者が集まって最新技術を披露するイベント、というよりは、

老若男女問わず、市民が農業に関わる様々なイベント・出店を目的に遊びに来る、という方が当てはまってる感じ。

 

当日は家族連れも多く、

子ども向けのおもちゃや風船を配っていたり、

動物と触れ合えるコーナーがあったり、

クイズを正解したら何か景品がもらえたり、

子どもが料理を体験できるイベントなどもありました。

 

 

 

もちろん、子どもだけでなく、大人にとっても楽しいイベントはたくさんです!

大人のみなさんは、お酒と食でお腹いっぱいになるまで楽しめます!

 

 

ビールやワインを買って、食べ歩きを楽しむ人から

座って落ち着けるレストランで楽しむ人まで、好きなスタイルで楽しめます。

 

 

私は、お酒は持ちませんでしたが、

歩いているだけで、色んな味のチーズやサラミ、はちみつなどの試食を差し出してくれ、

同じ食品でもこんなに味が違うんだ!とかなり楽しかったです。

上の写真はサラミ。

日本だと、あまりこの状態で売られていないですよね!

 

 

チーズも大きかった!

 

 

そして、フランスと言ったらワイン!

 

大人向けのワインの試飲&解説ブースがありましたよ。

ノンストップなお兄さんの話に、笑いあり、学びありで楽しげでした^^

 

 

通路では、楽器を演奏している人もいて、

その周りはバーやクラブのような雰囲気。

お兄さんもお姉さんもおじさんもおばさんも、みんなで歌って踊ってノリノリでした♪

 

大人も最大限に楽しめるイベントです!!

 

 

 

 

面白かった展示

 

ここでは、個人的に面白かった展示をご紹介します。

1:家畜の展示

農業系大学卒業の私は、実習などで家畜に触れあう・近づくことはありましたが、

1トン越えのウシを間近で見た時はかなり驚きました!

 

しかも、こんなに大きい牛も、繋がれているだけ。

頑丈そうな柵なんてありませんでしたよ~

 

ふかふかのワラは敷いてありましたが、

変な話、こんなに大きな牛が立ち上がって、少し後ろに下がって、『大』をしようものなら、きっと通行人にかかるよね、

ってくらいの臨場感で牛を見ることが出来ます!笑

 

 

 

そして、もう1つ驚いたのが、またもや牛。

この写真は肉牛なのですが、その筋肉といったら!!

すすすごい!!

品種改良って凄い。。。と思わざるを得ませんでした。

 

 

 

2:養蜂(はちみつの生産)

 

”農業×虫”と聞くと、

農作物が虫に食べられる、というイメージがつい先行してしまいますが、

養蜂も立派な農業の1つです。

 

 

ハチの種類や、花の種類によって、

こんなにもはちみつの色は変わるのだそう。

 

色々なはちみつの味見もできましたし

ハニ―味のお菓子の販売などもありました。

 

 

 

3:水耕栽培

 

水耕栽培とは、通常なら栄養のある土で育つ植物を、

栄養分を含んだ水だけで育てる栽培方法のことです。

 

栄養分の調節がしやすかったり、土壌栽培よりスペースが少なく栽培できたり、

というメリットもあって、最近では園芸などにも幅広く活用されています。

 

水耕栽培の他にも、金魚がいる水槽との循環型栽培の展示もあり、興味深かったです。

 

 

 

4:農業としての馬とロバ

 

馬好きな私も想像していなかったほど、

フランスでは、馬やロバが農業に活躍している様子でした。

 

上の写真は、”馬搬”と呼ばれるもので、

その名の通り、”馬”に木材を”搬出”してもらっている所です。

 

 

他にも”農耕馬(ロバ)”として、畑を耕したりたり、ワイン畑でブドウを運んだり、

 

 

少数ですが、馬やロバのミルクを販売・加工する産業もあるようでした。

上の写真は、ロバミルクを使った石鹸です!

 

 

また、以前行ったフランスの馬のイベント【Salon du Cheval 】では、あまりお目にかかれなかった

【重種】の馬たちにたくさん会うことが出来ました!

 

 

馬に関しては長くなってしまうので、後日また別の記事にしますね!

 

 

 

 

イベントに興味のある方へ

 

イベントに興味を持たれた方へ

実際に足を運んだ私から、いくつか現地の情報です!

 

 

まず、立地としては、

エッフェル塔から15分ほどで着くので、アクセスがかなり良いです^^

最寄り駅は、Porte de Versailles駅

駅からも降りてすぐなので、迷わずたどりつけますよ。

少し歩いても良いかな、混雑は嫌だな、と思う方は、メトロ8番線のBalard駅からでも歩けます。

 

 

チケットは、

事前に公式ページ(https://www.salon-agriculture.com/)からチケットを購入して

プリントアウトしたり、携帯画面で見せたりしてもも良いですし、

当日券販売ブースもありますので、当日チケットでもOKです。

入場料

  • 大人:14€
  • 子ども(6~12歳):7€
  • 子ども(6歳以下):無料

その他、ファミリーチケットもあります。

チケット購入はこちらからどうぞ。

 

 

ただし、会場内はかなり広いです!

地図内の矢印で示した5つの建物、全てがこのイベントの会場です。

 

 

1つの会場が、こんな感じですので、全体の規模はかなりのものです!

イベント自体はほとんどが屋内なので、雨が降っても心配はありませんが、

全会場を見たいのであれば、1日~数日かかるとおもって良いと思います。

 

 

その上、かなり混雑します!

特に週末は。

 

 

実際にイベントに訪れる際には、たくさん歩ける靴を履いて、

お子さん連れの方ははぐれない工夫をし

行けることなら平日行くことをオススメします!

 

 

最後に。フランスと日本の農業の違いは?

 

 

今回、私はこのイベントに丸一日滞在し、

各ブースや、イベントに来ている人々、その雰囲気などを取材しましたが、

総じて『農業を、自分の食・生活の一部として、強く認識している人が多いのかな』という印象を受けました。

 

 

 

日本で『農業』と聞くと、都会とは別世界のド田舎で、

知らない誰かが土まみれ泥まみれで家畜や野菜を育てている、っていうイメージがありませんか?

 

野菜やお肉はスーパーで買う物だし、

それをだれが作っているかなんて考えた事がない人も多いのではないでしょうか。

 

 

 

でも、ここフランスでは『農業』という分野が

国が誇る立派な産業として、より身近に感じる形で存在します。

 

 

例えば、街では広場や道端で毎日のようにマルシェ(市場)が開かれています。

そこでは、生産者さんが直接販売してくれるので、

いつも新鮮だし、スーパーで買うより少し安いし、顔を見て話ができる。

 

また、スーパーでは、BIO製品(有機食材・食品)がお手頃価格で手に入ります。

その他にも、ビーガン製品(ベジタリアン)やグルテンフリー、ラクトースフリーなど

日本に比べて、フランスは”食に関する選択肢”がとても幅広いです。

 

そして、フランスでは基本的に外食は高いうえ、スーパーやコンビニでは、あまりお惣菜が販売されていません。

つまり、多くの家庭は自炊を中心に生活しているため、”素材そのもの”を認識する機会がとても多いのです。

 

 

Aさん:「ファミマのおにぎりが美味しい」

Bさん:「いや、ローソンのおにぎりの方が美味しいよ」

 

ではなく、

 

A:「あそこのお米美味しいよ」

B:「それより私はここのお米の方が好き」

 

このように、素材そのものを身近に感じる機会が多ければ多いほど、

その一歩先の生産者や農業にも目が向けられやすいと思いませんか?

 

 

こうした環境で人々が生活しているからこそ、

農業大国フランスであり続けるのかも、と感じた1日でした。

 

 

 

2件のコメント

素晴らしい。よく出来てますね。読みやすいです。
この前行った佐賀JA祭りとは、大違いだ!

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YURIE KONO世界を駆けるホースジャーナリスト
1994年生まれ、海外在住フリーランス。 24歳からヨーロッパ各国に住み、現地の馬文化にひたる幸せな日々。オンラインサロン「うまテラス」主催、ホースセラピー勉強会主催。